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主な事業活動

日本精米工業会の取組み

精米加工技術の研究開発

消費者に食味のよい均質な精米を大量に供給するシステム、原料玄米を有効に利用する加工技術を重点として、各種の研究と技術開発を行っています。

精米の商品化の研究

精米の品質を一層向上させ、また新しい商品の開発研究を進めています。精米のブレンド技術、外国産を含めた精米の新しい差別化商品の開発、包装技術改善、色彩選別機の改良とその指導などが挙げられます。最近の重点事業は、地球環境対策として正会員・精米工場の省エネルギー化とエコ対策を図り、温室効果ガス(CO2)の削減の推進及び米粉に関する試験を実施し、正会員・精米工場に情報を提供しています。

技術開発・診断並びに施設整備等の推進

大型精米工場の技術と運営の将来発展のために、新たな機械や設備の性能試験や新たなニーズに対する基礎試験及び技術開発を行っています。また、工場診断を実施して問題点の把握と改善点を提案しています。

精米の完品づくりのための製造体制の実施

精米表示制度が食糧法からJAS法に移行したのを機に、2001年1月より発足以来実施してきた「精米の品質管理のための自主検査体制」を、「精米の完品作りのための製造体制」へ刷新し、製造する精米について消費者の求めるニーズにこたえるとともに、正会員・精米工場は、本会が定める『精米工場品質システム』の基準をクリアすることによって製造する製品について企業責任を達成することにしています。

精米工場品質システムを構築した工場は、日本精米工業会の認定登録工場となり、自己責任の証として「Fマーク」(Finished Goods)を貼付することができることとなります。

また、この「精米の完品作りのための製造体制」の根幹をなす精米工場のスタッフの育成のため、各種の研修会(通信教育を含む)を開催し、『ライセンス(任意資格)』を付与しています。ライセンスには、次の4区分があります。

  1. 精米検査技術
  2. 精米工場製造技術
  3. 精米工場管理技術
  4. 米飯食味評価

<精米工場管理者ライセンス>

ⅰ~ⅲで取得可能な『ライセンス』は、「技術者(初級)」「主任技術者(中級)」「上級技術者(上級)」があり、さらに「精米工場統括管理技術者(最上級)」があります。

<米飯食味評価士>

ⅳで取得可能な『ライセンス』は、「米飯食味評価士」です。日本工業規格(JIS)官能評価をもとにしたテキストで知識を習得し、米飯の食味を的確に判断する人材の育成を目的としています。
「米飯食味評価士」とは、所定の研修を経て厳しい選抜試験に合格し、食味試験の適正な評価者と判定された者で、かつ食味評価の試験方法及び実施方法を習得した者をいいます。このうち、上級ライセンス(「上級米飯食味評価士」)取得者は1名です。
なお、「米飯食味評価士」を有する正会員・賛助会員はこちらになります。

<米飯食味評価精度適性事業所登録制度>

本会が主催し、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所の技術支援を受け実施する「米飯食味評価精度試験(会員の米飯食味評価パネルの精度の適正を判定するもの)」に合格した事業所に登録証を交付します。
現在の登録事業所はこちらになります。

無洗米製造技術の指導

近年、需要量が拡大している無洗米について、より良い品質を確保するため、「無洗米の製造に関する指導指針」を定め、正会員・精米工場が製造した無洗米を「無洗米品質基準確認要領」に基づき、第3者の立場で品質確認を行い、無洗米について「指導指針」で定めた創造条件及び品質基準をクリアしているかどうか提起的に確認を行い、品質の良否の判定を行っています。正会員工場であり、品質システム認定登録工場である工場で製造された無洗米には「無洗米確認マーク」を貼付することができます。
これは、「精米の完品作りのための製造体制」による事業活動の一環です。

「美味しいご飯」の研究と炊飯の指導

「美味しいご飯」すなわち食味の良いご飯は品種の系譜によるところが大きいですが、良食味の品種であっても気象条件や栽培方法、また、収穫後の乾燥、貯蔵方法、精米加工などによっても食味が左右されます。品種や精米品質が良くても美味しいご飯となるか否かは炊飯(α化)してはじめて分かることです。本会では米飯と食味について、とくに炊飯から見た研究・調査を行い、併せて炊飯指導も行っています。

受託・支援事業

精米工場建設、合理化、品質管理及び経営分析の指導、教育・研修並びに精米事業に連結する炊飯・米飯加工に関する技術問題及び研究・開発などの受託・支援事業を実施しています。

技術情報の提供

機関誌「精米工業」の発行、毎年の収穫玄米の米質情報を出回り時期・地帯ごとにいち早く報せる「米質概況情報」、研究調査結果の報告等の情報提供を行っています。

精米HACCP

HACCP支援法

一般社団法人日本精米工業会(以下「本会」という。)は、平成28年3月31日付でHACCP手法導入を推進する目的で制定された「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(以下「HACCP支援法」という。)」の指定認定機関に指定されました。
HACCP支援法は、国として施設の整備を促進するための金融・税制上の支援措置を講ずるものとして平成10年7月に5年間の時限立法として制定されました。本法律は5年毎に見直しと改訂が行われ、現在は平成25年6月21日に改定施行され、その有効期間は10年間となっています。平成25年の改正に伴い、従来の製造過程の管理の高度化に関する計画(以下「高度化計画」という。)に加え、HACCP導入の前段階での施設及び体制の整備である高度化基盤整備計画(以下「高度化基盤整備計画」という。)も支援の対象となっています。

詳細については、農林水産省のホームページをご覧下さい。

また、精米工場の施設・設備の改修、あるいは新設の計画を予定している事業者は、「精米の高度化基準」に基づき、精米の「高度化計画」または「高度化基盤整備計画」を作成し、本会へ申請して計画の認定を受けることにより、金融上の優遇措置が受けられますので本会にご相談ください。(申請書様式:高度化計画高度化基盤整備計画

優遇措置により、株式会社日本政策金融公庫より、中小企業向けに、償還期限が10年超15年以内(据置期間3年以内)の融資を、事業費の80%以内または20億円のいずれか低い額を限度として融資を受けることができます。
年利率は毎月かわりますので、詳細については、日本政策金融公庫のホームページをご覧下さい。

精米HACCP認定

認定の概要

近年、「農場から食卓まで」のフードチェーン全体を通じた食品の安全に対する動きが急速に早まり、フードチェーンに関係する全ての事業者がお互いに食品安全のための対応を行わなければならない必要性が高まっています。
本会は、上記HACCP支援法による指定認定機関として、HACCP支援法に基づいた食品安全と品質管理・衛生管理・食品防御等を取り入れた『精米HACCP規格』を作成し、「精米HACCP認定」の事業を実施(精米HACCP認定規程)しております。
精米工場においては、この「精米HACCP認定」を取得することにより、生産から消費までのフードチェーンを繋ぐ役目、消費者からの信頼が向上される取組みになると考えられます。

本会は、「精米HACCP認定」のためのHACCPプラン作成にあたって事前相談や研修会等を行っておりますので、認定の取得をご検討される方は、お気軽にお問い合わせください。

なお、認定に関する費用についてはこちら(認定業務規程 第14条(手数料に関する事項))をご覧下さい。

HACCP認定マーク

精米HACCP認定を取得した場合、製造された精米について『認定マーク表示基準』に基づき”HACCP認定マーク”の表示が可能になります。

精米HACCP認定工場

精米HACCP認定工場一覧表

関連事項

精米工場の製品配送(運搬)に関するガイドライン

精米工業規格

目的

この規格は、精米工場の機械設備、品質検査、工場管理等、精米工場の管理や運用に関するあらゆる面についての考え方の提示、標準化を目的としています。

趣旨

この規格は、精米工場の各種問題点、検討事項に対する考え方の整理や統一、各機械メーカーに対する提案や要望点、工場診断の進め方等、精米工場特有の管理や運用のために特化した規格になります。正会員・精米工場においては、工場運用のガイドブックやハンドブックの位置づけとして活用されております。

構成

精米工場に関連する分野毎に項目を以下のとおり細分化しています。(※以下PDFファイルです )
(平成27年4月1日改訂)

各項目の本文は、できるだけ具体的に容易に理解ができるように表現し、必要であれば試験・研究・調査を実施し、図や写真、データ等を多く掲載して解りやすくしています。

精米工場品質システム(JRQS)

目的

精米工場品質システム(JRQS:Jrma Ricefactory Quality System)は、消費者及び実需者より信頼される精米を提供するため、異物等の混入を防止し、安全・安心な精米を製造するために必要となる、精米工場における組織、体制、製造管理及び品質管理並びに衛生管理等を的確かつ円滑に実施するための具体的な行動や作業等を示し、精米の品質確保を図ることを目的とした規格になります。

要求事項

精米工場は、工場における業務が本規格の目的に適合することを確実にするための手段として、以下の要求事項に基づく品質システム(仕組み)を構築し、その内容を記載した品質マニュアルを作成し、維持し、継続的に改善・改良するよう確立しています。

JRQSの体系

平成26年3月18日改定(JRQS:2014)

  • 2.1 品質システムの概要
  • 2.2 コンプライアンス(法令等の遵守)
  • 2.3 推進体制
  • 2.4 基準
    • 4.1 原料玄米の品質基準
    • 4.2 製品の品質基準
  • 2.5 製造工程の管理
    • 5.1 製造工程の区分
    • 5.2 作業標準の設定
    • 5.3 製造設備の管理
    • 5.4 異物除去装置の管理基準
    • 5.5 省エネルギーの取り組み
  • 2.6 検査
    • 6.1 原料玄米の品質検査
    • 6.2 製品の品質検査
    • 6.3 食味の確認
    • 6.4 検査機器の管理
  • 2.7 精米工場の衛生管理
    • 7.1 衛生的環境の保持
    • 7.2 有害生物の防除
    • 7.3 施設・設備の衛生管理
    • 7.4 機械・器具の保守点検
    • 7.5 従業員の衛生管理
    • 7.6 製品等の衛生的な取扱い
  • 2.8 苦情対応
  • 2.9 記録の管理
  • 2.10 内部監査
  • 2.11 教育・訓練