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精米工場~最先端を行く精米技術で、おいしいお米が商品になるまで

お米ほど、おいしさが当たり前に求められている食べ物はないかもしれません。そして、おいしさと同じように安全性も当然求められています。そうした消費者の声に応え、お米のおいしさを最大限に引き出し、なおかつ安全に精米し商品化したお米を消費者に届けているのが、精米工場です。全国には大小様々な精米工場がありますが、今回はその中で国内3カ所に精米工場を持つ「株式会社むらせ」の品質保証部部長木田正一さんに、安全なお米の製品作りについてお話を伺いしました。

株式会社むらせ 品質保証部部長 木田正一さん

株式会社むらせは、大正15年・神奈川県横須賀市に創業。首都圏工場のほか、福島、福岡に精米工場を構える。



ストレスフリーなお米作りを目指す

日本精米工業会(以下、精米工):
「お米の品質を保つために、精米工場ではどのような環境づくりがされているのですか?」

木田氏:
「お米にとってストレスを与えない環境が大切なので、工場では、自然のしくみを利用した自然落下でお米を搬送したり、配管の中を空気でお米を移送したりと、短時間でお米を扱うことのできる従来なかった最新の設備が導入されています。この方法ですと、従来の機械によるダメージを減らした方法でお米が運ばれるので、お米のひび割れなどの傷が防げ、お米の品質を維持することができます」



埼玉県入間市にあるむらせ首都圏工場。月4千トンの精米能力を有する国内有数の精米工場



精米工:
「精米工場では、産地から玄米が到着して、精米に入る前にどのような作業を行うのですか?」

木田氏:
「農地から届く玄米は、粒の形も色も様々なので、玄米が届いたら、最初に玄米の品質の確認を行います。白さ、粒が整っているかどうか、虫に喰われていないかといった粒の状態、水分量や粘りのもととなるタンパクなどの食味、カビやにおいなどを担当者が検査します。また、コシヒカリを発注したのに、ほかの品種が混ざっているといけませんので、米のDNA(遺伝子)鑑定検査も行います。様々な荷受け検査の基準に合格した玄米のみを入荷して、精米に回すのです」



精米工:
「お米の品質を決めるのは、精米と言われていますが、どのようにして工場では精米を行っているのですか?」

木田氏:
「その年の新米が届く時期に、新米の産地や銘柄の品質を見極めて、その年の精米の度合いの基準値を決めます。そして、あとは日々の調整を行います。お米は金太郎飴ではないので、産地で地域ごとに、また極端に言えば、トラック1台ごとに品質が変わります。ですから、1ロットごとに管理して精米の度合いを決めるのです。白くて柔らか目の粘りがあるお米を好む日本人の口に合わせて、なるべく削るのですが、削り過ぎると、今度は柔らなくなりすぎるので、その加減が精米工場の技術の見せどころなのです」



むらせライス「つや姫」2キロ(左)
「魚沼産コシヒカリ翁」2キロ(右)



玄米の品質を安全で確かなものに 10段階もの徹底検査

精米工:
「精米工場では様々な検査が行われていますが、中でも最も時間をかけて入念に行う検査は、どのようなことですか?」

木田氏:
「玄米は農産物なので、どうしても中にわらや小石、他の穀粒などの異物が入ってしまっています。そうした異物混入を防ぐ検査を、荷受けから出荷の段階まで、10以上の工程で行っています。高圧エアや光センサー、金属探知機など最新の機械で、米粒1粒の大きさでも見逃さないよう、異物を除去し、米の安全を確かなものにしているのです」



精米工:
精米の製造過程で安全対策が導入されているとのことですが、具体的にどのような対策なのですか?」

木田氏:
「トレーサビリティ・システムといって、生産地からの移送、精米、流通、売場までの動きを追跡できるシステムを導入しています。玄米1ロットごとにコンピュータ管理しているので、例えば、米に、小石が入っていたなど異物混入はありえない話ですが、万が一、消費者からそうしたクレームがあった場合、どこで混入されたのか、瞬時にコンピュータ上でトレースできるのです」



安全でおいしいお米を届けるため、精米工場は、年間365日、毎日8時間稼働しています。そのお米をおいしく食べるために、消費者ができることもたくさんあります。お米の保存の仕方やごはんの炊き方、そして、何よりもお米との付き合い方を見直すこと、そこから始めてみませんか?

取材協力: 株式会社むらせ http://www.murase-group.co.jp/